2013年1月14日月曜日

加賀象嵌

加賀象嵌の特別展が開かれているということで、東山にある
安江金箔工芸館に行った。




















ここは、本来金沢の工芸のひとつである金箔についての展示が常設されていて、
以前見にきたことがある。
今回は加賀象嵌の知識を深めようと思い、この日説明会があるということで来た。

象嵌の手法自体は5000年くらい前からあるらしく、先日見てきたツタンカーメン展でも
宝石を象嵌細工で埋め込んだ胸飾りなどもあったし、日本には、中国から伝来した
らしい。

加賀には前田利家の時代に京都の彫金師の後藤琢乗を招いて伝えられたという。
その後、加賀には馬具のひとつで、乗る人が足で踏みつける鐙を象嵌で作る鐙師と、
刀剣の装飾具を象嵌で作る白銀師がいた。
それらは金沢城の中の御細工所でもやっていた。
















「ふるさと美術館」より



加賀象嵌は金属を下地に用い、埋め込んだ金属が抜けないように、掘った部分が
表面より底の方が広いあり溝を掘るのが特徴という。















「金沢検定 参考書」より




明治になって武士がいなくなり、それらの物がいらなくなり、水野源六や山川孝次など
が欧米輸出用の装飾具を製作した。
その後、米沢弘安や高橋介州らに伝統を引き継がれた。
米沢弘安はかなり苦労をしながら、根からの職人技で製作してきたが、その記録が
図書館に日記として何冊も置いてある。















「ふるさと美術館」より




高橋介州は全体的なデザインに主流をおき、その介州の弟子に中川衛がおり、
モダンな感覚を取り込んだと言う。















「ふるさと美術館」より




中川衛の作品は1~2ヶ月前に日本伝統工芸展に展示されているものを
見たことがあるが、非常に高級感ある置物であった。

近年、金沢美大、卯辰山工芸工房や石川県職人大学などで、若い人が花器
やアクセサリーなどを作っているという。いつまでも伝統を引き続いていって
もらいたいものである。

説明会の帰りに出口付近で、象嵌のDVDを見たが、あのような美しい工芸品が
できるまでには、非常に細かい作業があり、大変苦労があったことを知った。

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