2013年4月24日水曜日

前田土佐守家資料館

今回は長町にある前田土佐守家資料館に行った。
だいぶ前に訪れたことがあるが、すっかり忘れてしまっている。




















この日は、リニュアルオープン記念展で「武家社会と儀礼」というテーマで
解説講座があった。
講師には、ここの学芸員の竹松幸香さんで、弁舌さわやかな人でわかりやすく
説明された。
その後、展示品を見ながら説明していただいたのでよく理解できた。


























武家儀式には年中儀礼(毎年恒例として行われる)と人生儀礼(年齢の
重要な節目にあたって行われる)がある。
年中儀礼には、年始、五節句、年末などに登城拝礼することで、人生儀礼には
誕生から元服、家督相続、婚姻、葬儀など人生の節目ごとに行われる。

これらのことがどのように行われたか、武士の日記や覚書などに詳細に
書かれているものが展示されていた。

ここの本家の6代直方や嫡子直養の日記や覚書などに上記のことが書いて
あったが、字が細かく、よくここまで書いたものだなあと感心した。またそれもきれい
に保存されていた。




















この儀式は金沢城の主に二の丸御殿で行われたものだが、二の丸御殿の
部屋を歩く順路が詳細に書かれていたし、どの場所に座り、なにをするか
などきちんと決まっていたという。
そういえば、「百年後の国宝をつくろう」では二の丸御殿の再現を目指そう
だった。
今回の展示に二の丸御殿の部屋の平面図が展示されていたが、外観や
部屋の詳細のものは残っていないので、再現はなかなか難しいと思うが、
今後、他に残っているものが出てくればよいのだが。

そういえば、ここの家祖の利政は前田利家の次男である。
利政は兄の利長と考えが違っていて、母の「まつ」の人質に反対したり、
関が原の戦いには、徳川の要請に応じなかったため、能登の統括を
除かれ、京都に隠棲したという。
利長は家康に睨まれ大変苦労したが、利政は蟄居し、30年間京都に
暮らし、お茶や能などいろいろ趣味の世界を堪能したのではないかと思う。
どちらの方が幸せだったのか思わずにはいられない。


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