2013年11月14日木曜日

鏡花うさぎまつり(1) 鏡花ゆかりの地ウォーク

今回は、泉鏡花誕生140周年記念ということで「鏡花うさぎまつり」が下新町の久保市乙剣宮で開かれていたので参加した。(11月3日参加)
催しは、いろいろあり午前中から夕方、夜まであるという。




















まず、午前10時から「鏡花ゆかりの地ウォーク」に参加した。約80人の参加者があり、4グループに分かれてウォークした。説明は「まいどさん」がやってくれた。
久保市乙剣宮の裏の「暗がり坂」を通り、主計町、ひがし茶屋街を通って、卯辰山寺院群に入り、赤門寺と呼ばれていて、門にわらじがかかっている「全性寺」(ぜんしょうじ)に行った。
わらじがかかっているのはこの辺を「高道町」といって飛脚が多く住んでいて、健康と健脚を願って奉納されたという。




















ここは鏡花の母方の菩提寺で、幼いときに亡くなった母への思いが込められた作品の「夫人利生記」(ぶにんりしょうき)の舞台となったところである。
寺内のある摩耶夫人(まやぶじん)(釈迦の生母)の姿を母の面影に重ね合わせているという。








































また、10代前田重教の生母が安産祈願のために寄進したという不動明があった。




















寺の横には能楽で有名な宝生流15代宗家の宝生紫雪、波吉宮門や諸橋権之進の墓がある。また鏡花の母方の実家が能楽の大鼓方(おおかわかた)であった中田家の墓もある。ということは、ここは能楽師の墓が非常に多いということだ。




















次に鬼子母神さんで有名な真成寺(しんじょうじ)に行った。ここは毎年4月29日に人形供養が行われるし、無病息災や安産、子授かりの祈願で訪れる人も多いという。








































ここは鏡花が母に連れられて幼いときの参拝した寺で、山門の扉にある釘隠しは鏡花の作品の「鶯花径」(おうかけい)のなかで鬼子母神の乳だといって「すいすいした」と描いている。




















また、ここには江戸時代中期に活躍した悪役をやらしたら天下一品だった宮腰(現金石)出身の中村歌右衛門の墓もある。




















次に日蓮宗で3代利常の生母の福寿院の祈祷所でもある蓮昌寺に行った。ここは鏡花を親身になって助けた又従姉にあたる「目細てる」の菩提寺でもある。




















寺の中には日蓮の誕生から死までを描いた絵が何枚か飾られていた。




















ここは鏡花の絶筆となった「る紅新草」の舞台となった所で、そのことについて石川文学館の前館長の香村幸作さんが説明してくれた。作品の中では盆の時に墓地に燈籠を供えることから「燈籠寺」として呼ばれ、山門から日本海や河北潟が見えたことや「赤とんぼ」が登場し、物語のカギを握ることなどを話された。





















ここには金沢4大仏のひとつである丈6の釈迦如来立像も見ることができた。住職は非常にユーモアのある気さくな方で、いつでも寺内を見せてくれるということであった。


























帰りに宇多須神社、鏡花の「滝の白糸」の像などを見た後、久保市乙剣宮に戻った。
散歩時間2時間、7600歩でした。


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