2014年1月6日月曜日

金沢のおせち料理

お正月なので「金沢のおせち料理」について、我が家のものを例として紹介します。

金沢のおせち料理は、前田家を頂点とした武家料理の流れをくむものと、最初から庶民の生活の中で生まれたものとがあるらしい。
正月には息子家族が家に来るために、毎年、家内が我が家でおせち料理を作っている。

まずお仏壇の前に座って、一人ひとりのお参りから始まる。小さな神棚も置いてあるので神様にもお参りする。その後、テーブルに座って「お屠蘇」を頂く。「お屠蘇」とは1年の邪気を払い長寿を願って呑む縁起物の酒である。うちの息子の中には酒は嫌いだが、お屠蘇はちょっと甘いので好んで呑むものもいる。




















お雑煮は金沢でも家々によって違う。おもちは金沢では角もちが主流だが、他の地域は丸もちが多い。昆布のだしで醤油で味付けしたすましの中におもちをいれ柔らかくする。そして漆を塗った「お椀」にいれる。これに我が家ではシンプルでかつお節と小松菜と結び昆布を載せたものである。小松菜の代わりに「せり」を載せる家も多い。他の家では海老や黒豆を入れる所もある。




















おせち料理は、我が家では二つの重であるが、三つの重の家も多い。一つの重は縁起物が多いが、それぞれいわれがある。
「数の子」は子孫繁栄、「紅白のかまぼこ」は日の出の象徴、黄金色の「栗きんとん」は金銀財宝に、「たづくり」は豊年豊作、「くわい」は芽の出ることから子孫繁栄、「伊達巻」は文化発展、「れんこん」は通った穴から「見通しが利く」といわれている。




















「黒まめ」はまめまめしく働くことから健康を願う。




















「紅白のなます」は人参と大根で紅白のおめでたい色を表し平和を願う。




















その他、家では「きんぴらごぼう」、「ロースハム」なども入る。
二の重は我が家では「お煮しめ」が中心で「大根」、「しいたけ」、「たけのこ」、「こんにゃく」、「ちくわ」、「里いも」、「さやえんどう」などが入る。




















内では最近やっていないが金沢のおせちに「べろべろ」(えびす)がよく入っている。玉子を寒天で固めたもので、子供のころに「おまつり」でもよく食べたことがある。
その他に、今回、内では「さわら」と「たい」の昆布締めがあったが、「たら」や「ひらめ」などの昆布締めもある。普通のお刺身と違って昆布の味がしみこんでいて、少し長持ちがする。




















また、金沢独特のもので「かぶら寿司」がある。輪切りにしたカブにブリの切り身を挟み、麹で漬け込んだものである。




















これと同じようなもので、「だいこん寿司」はだいこんにニシンを挟んで漬け込んだものである。

このおせち料理を我が家では、それぞれ好きなものを年期の入った九谷焼の皿にとって食べる。




















どのおかずもお酒に合い、ついつい多く飲んで食べてしまう。それでいつもこの時期体重が増えてしまう。

おせち料理を食べた後、毎年「お福茶」を飲むが、孫と遊んでいるうちに忘れてしまった。「お福茶」は梅干を入れた煎茶で、一年間の無病息災を願うものである。

その後、恒例になっている初詣に尾山神社に出かけた。