2017年8月6日日曜日

彫金 中川衛の工房

今回は「かなざわまち博2017」で、4回目の応募でようやく抽選にあたり、「彫金 中川衛の工房」をみることができた。金沢市入江町にある中川先生の自宅兼工房を訪ねた。中川衛さんは現在の県内の彫金の第一人者で、母校の金沢美術工芸大学も務め、2004年に人間国宝にもなっている。



















抽選にあたった9人とともに早速工房に入った。まず、先生から「象嵌」について基礎的なことを教えていただいた。



















象嵌は下地の金属に「アリ溝」を掘って、その溝に別の金属を埋め込む「平象嵌」のほかに、その埋め込んだ金属にさらに「アリ溝」を掘る「重ね象嵌」が加賀象嵌の特徴である。この「重ね象嵌」がいろいろな文様を作り、素晴らしい作品ができる。
この「アリ溝」づくりは失敗したら別の金属を埋め込み、もう一度やり直しとなり、すごい手間となると言っていた。



















この堀る作業や埋め込み金属を成形する作業は「たがね」という工具で行うが、この「たがね」は現在何百種類と持っているが、すべて先生の手作りであるという。どいうものを作りたいかによって最適な「たがね」を選んで使うのであろう。



















この「たがね」は先端がいろいろな形状をしているが、先端3~4mmだけに焼きが入っていて硬くなっている。この焼き入れもピンセットのようなものでつかんで、焼きそして冷却しているが、この作業も先生がやっている。昔は、温度計も現在のようなものがなかったので、材料の茶色や紫色など色を見て感覚でやっていたという。



















金属の材料も、金や銀、銅、錫などの量によっていろいろな色になるが、色彩の異なる金や銀、四分一(銅3、銀1の合金)などの金属をはめ込んで文様を出す技法である。銅を60%、40%、20%など入れ替えると青っぽくなり、金を入れるると白っぽくなるという。



















銅の壺を緑青(銅のさび)で煮るとグレーの重厚な色になる。その後、「朴木」の炭や桐の木で作った炭で磨くときれいになるというふうに磨くものは植物であるという。そして最後に、面白いことに「大根おろし」で拭くという。これはきれいに油を取ってくれるらしい。



















細かい彫る作業の部屋の隣の部屋は「たがね」の焼き入れや、鋳型などから全体の形状を作るなどの作業場であろうか?



















表面に何を表すかの題材は「犀川の堰」や「木々の表情」など、あちこちを歩いて見つけた風景などをデザインするという。
この工房には、現在、展示会などに出払っており見ることができなかったが、中川衛さんの作品はグレーっぽい色に金やいろいろな色の金属をはめ込んだ独特の色合いで、重厚な高級感があり、部屋に飾っておいたら素晴らしいと思う。






「ふるさと美術館」より

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