2018年3月10日土曜日

獅子ワールド館

「知田工房」の人から、「是非行ったらいいよ」と言われた「獅子吼高原」のゴンドラ乗り場の近くにある「獅子ワールド館」に行った。円形の建物の中のスロープを上がると、お土産屋の奥に「獅子ワールド館」があった。


































館内に入ると、獅子頭作りの工程が展示されていた。まず、「原木の輪切り」では、白山麓の桐の原木を輪切りし、乾燥される。知田工房では、乾燥させないで使う方が彫刻しやすいので、そのまま使うと言っていた。次に、ある程度の大きさにのこぎりで切る。そして荒加工で獅子の角を丸くし原型を作る。。



















続いて、あら取りした木をノミなどで彫って、大体の形にした後、丁寧に仕上げ彫りをする。塗りを下地塗り、中塗り上塗り、金箔押し、仕上げとして、下あご、みみ、角を組み立て、黒目を入れ、たてがみを付けて完成



















藩政末期には、芸能である獅子舞は、武芸鍛錬のカモウラージュに用いられ、一説によれば、幕府の目をごまかし、武芸修練の場として、山峡の聖地「剣」(現在の鶴来)が選ばれたという。現在、白山市には日本一大きい獅子頭があるとともに、7江戸時代に名を馳せた工匠らの作品が残されているという。
下の写真は日本一の夫婦獅子だという。



















富山県の獅子も飾られていたが、砺波や八尾と木彫で有名な井波の獅子もあった。



















獅子は、中国から伝わったというが、もともと中国にライオンはいない。
獅子の語源は、ライオンを意味する古ライオン語【Ser】で、ライオンは西洋の国では王権のシンボルだったという。ライオンと戦い、勝つことで勇気と強さを見せつけ、民衆の尊敬を集めようとした。人々はライオンの強さにあこがれと恐れを持ち、「神」に近いものだったという。ライオンというものを人づてに聞くだけだった東洋の人々にとっては、まさに幻の聖獣であり、空想の中で少しずつ姿を変え、獅子が誕生したという。
日本の獅子舞は、豊穣祈願や厄除けの祈りを込めて舞われているが、中国も日本と少し似ているが、面白い姿の獅子がたくさんいる。しかし獅子の強さ、気高さによせた敬意は同じだったと思われるという。アジア各国の獅子の姿はそれぞれの人々の思い入れあると思われる。
























「ランダ・バロン」というインドネシアの獅子


韓国の獅子は「案山子」のようで、怖さよりちょっと風変わりだ。



日本の獅子舞には、鹿踊りのように一人で一つの頭を付けて踊る「一人立ち」と一般的な獅子舞のように一つの頭に二人以上が入る「二人立ち」の二つのタイプがある。「二人立ち」には、胴体が布でできた幌型と、毛で覆われたぬいぐるみ型がある。ぬいぐるみ型は沖縄や九州などに見られる。また幌型には、中に二人はいるものと大勢が入る大獅子がある。
























沖縄の「名護大獅子」は、口を大きく開いて、大きな歯が見え、体は黄色の毛でつくられているが、本土の獅子とはずいぶん違う。
























獅子のルーツや歴史、あちこちの獅子が見れ、面白かった。
獅子ワールド館の帰りに、近くの獅子吼付近の渓谷風の流れが見えた。